すなわち、この論文『胎児の夢』の一篇は、吾々の頭脳の記録に残っていない、みごもり時代の吾々の夢の内容を、吾々成人の肉体、及および、精神の到る処に残存し、充満している無量無数の遺跡によって推定するという、最も嶄新ざんしんな学術の芽生えでなければならぬ。 『ドグラ・マグラ』
あらすじ&おすすめポイント
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古時計の音に目を覚ましたわたし。ここは、どこだ。
わたしに壁越しに声をかける少女がいる。そして、二人の博士が「わたし」を呼び起こす……。
- 推理小説。頭を“チャカポコ”したい人向け。読後はブウウーーーン……とします。
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感想とネタバレ
正直にお話しします。……これが四回目の挑戦です(汗)三回目は後半(教授との対話)は飛ばし飛ばしでなんとか最後?まで読みました。
四回目で読了できたのは「ブンゴウメール」さんのおかげです。ありがとうごさいます……。
ブンゴウメール(有料)さんは、青空文庫所蔵の作品を配信しているメルマガ配信サービスです。興味のある方は是非。
そして青空文庫の雄志は「ドグラマグラを世に広める会」さんです。難解で読めなかった自分も、微力ながら記事にしたためたいと思います。あくまでも個人の感想なので、あっそう、ふーん……?のスタンスでお願いします。(今後、訂正もあります。ご了承下さい)
このお話は「1日」の出来事だったんですね……。
キイワードをつなげてみる
この作品は、押さえるべきポイントが多すぎるので悩みますが、すべてに意味(結論に向かう因子)があると仮定して、自分が気になったポイント(言葉)を上げてみます。胎児の夢
心理遺伝
地球表面は狂人の一大解放治療場
幻魔術(どぐらまぐら)
離魂病
脳髄は物を考える処に非ず
そして、これらのポイントを総合すると、「私」は「呉一郎」であり「呉青秀」ということに……(??)
文章としてつなげてみると、
胎児のまま「
それは、呉一郎という個人(脳一つ)ではなく、集合体(細胞)??の青秀が……罪を犯した。 ということになります、か?? ……?? どういうこと?? まさに意味が不明……。
やはり、ドグラマグラ、わけがわかりませんw
疑問:二人の教授
あと少し気になったのは、後半の部分で、遺書の内容に「兄」と書かれていたことなのですが、日本語の難しいところで、「兄」というのは血のつながったものなのか、それとも戦友というような意味なのか? イニシャルにして、WとMというこれまた意味深な表裏一体のような感じで謎です。この物語を紡いでいるのはWだったわけですが。もしかして、同一人物ということはないですよね……(もう考えるのをやめたいw)
疑問:作者はなぜこの作品を上梓したのか??
この作品の疑問はこの一点が強すぎます。この疑問があるから読めないのに何度も挑戦してしまった理由でもありました。 本当にこの小説は情報量が多すぎて大きく分けた、前半:作品のテーマ
後半:作品のテーマの答え合わせ???
最近走破した『ひぐらしのなく頃に』の解答編のような後半だとしても、それはそれで情報が交錯していて整理するのにまったく難解で、こちらの頭は今でもずっと、チャカポコしております。
なぜこうも物語と論文を入り乱れた難解なものをつくろうと思ったのか?? この「難解さ」に意味はあるのでしょうか、ないのでしょうか?? N○Kさんの特集を見ましたが、どうやら作者自身も頭を抱えていたようです(そりゃそうだ!)
ほんとうに謎です……。
結局、この作品は幻魔術の恐怖は記されていますが、
日本語が読める人には一度は挑戦しても損はない!と思う、今なお褪せることなく我々に何かを訴えてくる珠玉の作品かと思います。
感想まとめ
どうにか読了したあとは余韻に茫然としつつ、他の方のブログ考察を読みました。しかしここまでの作品なので、ブログだけでなく紙(論文形式)の考察とかも読みたいです……。次は青空文庫さん(電書)ではなくて、紙の方で再読できたらなと思います。
チャカポコチャカポコ……!
ブウウウーーーーーン……。
青空文庫
ブンゴウメール
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