2017/09/13

『邪馬台国の秘密』/高木彬光

邪馬台国の秘密 新装版 高木彬光コレクション (光文社文庫)

著者:高木彬光
発行:2006年10月12日
出版:光文社文庫


あらすじ

作家の松下研三が、病床の神津恭介のもとへ見舞いに行く。そこで話題に出たのは、彼の次の作品の題材だった。邪馬台国はどこにあったのか。その場所は解き明かせないだろうと渋る松下に、神津は難攻不落のこの問題に興味を示す。 果たしてベッド・トラベルで推理される<日本最大の謎・邪馬台国>はどこにあるのか……。

おすすめポイント

歴史推理小説です。小説なので難しい専門用語も読みやすいです。松本清張さんと論争があったみたいですが、これはこれで面白かったです。




感想とネタバレ

日本の古代史?を勉強するとき、邪馬台国はどこ、卑弥呼はだれだろうというちょっとした謎にわくわくしたものですが、これだけ分量のある邪馬台国の謎についてはじめて読みました。

個人的には、結論の邪馬台国があった場所は、かなり納得する位置でした。 今現在でも人の多く集まる場所です。

ただそうなると、邪馬台国と大和朝廷は、つながりがあるのでしょうか。 九州にあったとして大和朝廷は同じ政権のものだと、いつ移動したの?という話で、邪馬台国が有名な神武東征を行って大和朝廷となって関西にうつったのでしょうか??? 逆に神話の国譲りが実際に行われたとすれば、邪馬台国は大和朝廷に譲ったのか?

そこで気になるのは、作中の祀られている方。 大和朝廷が天津神だとして、卑弥呼を朝廷側が祀るとすれば、本来の神社の造営の仕方だと、それは尊敬のためではなく、菅原さんのような人物だったと考えられ……いやいや応神天皇と神功皇后も祀られているのであり得ないので、せっかく読んですっきりした糸がこんがらがりますwww

こんなところでぶつぶつ言っていますが、ただの読書感想?なので真に受けないでください、こういう妄想が一番楽しいです(すでにどこかで間違っていると検証されていたらすみません、汗)。

面白かったです。歴史推理もの。 推理ものというのは殺人あってのものかと思っていたので(そういえば、ああいうのは探偵小説ですね)、読み終わって、解説をみてびっくりしました……。こういう推理ものは文面上に人死が出ないので、こういうジャンルも開拓していこうと思います。

テレビ番組(『諸説あり!』)でやっていた、実は中国の大風呂敷説(実際の邪馬台国はそんなに大きな国じゃない説)というのも中々面白かったです。