2021/12/10

『椿三十郎』/映画《感想》白黒だから、「椿」が映える。川に流れる椿のように、三十郎もまた流れていく……。

あらすじ&おすすめポイント
    若い衆が集まる中に、偶然居合わせた浪人がいた。彼は、名を尋ねられると「椿三十郎」と名乗ったのだった……。

  • 白黒映画。邦画。時代劇。

感想とネタバレ


白黒なのに、劇中の「椿」がつばきつばきしていて……とても美しいです。
カラーにはない、白黒だからぐっと映える何かがある気がします。

自分事で残念だったのが、終盤も終盤のシーン。
作品を見る前に見た黒澤監督のドキュメンタリーで映像のネタバレをしていたので、途中で失敗したなとしょんぼりしました。先に制作風景を見てはいけない作品でした(汗)

三船さん格好良いです……。
浪人なのに(だから?)、情に厚いキャラです。他の登場人物のように、この人に信頼を寄せたくなり、見ていて安心感があります。

そして「お母様」のなんと強いことか(笑)。
お母様にたじたじな三十郎も対比で面白いですし、考えさせられます。

悪意をもっているものに対して、覚悟して対処するのか、覚悟して討ちに行くのか。
むしろ、それに従うか。

悪意はどこからでもやってくる。

信念はどこから生まれるのか。

本当に、しびれます。