2021/08/20

『ヨコハマ物語(講談社漫画文庫 全4巻)』/大和和紀《感想》明治・横浜開港とともに紡がれる、二組の王道ヨコハマ・ロマンス。

作品紹介
  • 著者:大和和紀
  • 初出:週刊少女フレンド(1981年~)
  • 出版:講談社漫画文庫


ヨコハマの時代/明治の時代/それはいまでは夢となった時である 『ヨコハマ物語(4巻)409~410頁』


あらすじ&おすすめポイント
    明治、開港してから少したった横浜。 身寄りがなくなってしまった卯野は、お嬢様・万里子に使える小間使いとして、故郷を離れヨコハマにやってきた。 友人のように育ったお嬢様には許嫁の森太郎がいて、彼を諦めきれない卯野。 しかし森太郎に憧れをもつお嬢様に、惚れたという男爵が現れて……。

  • 最近の属性に当てはめてみると、
    ・俺様スパダリ×ツンデレ強気(万里子)
    ・美形優男×芯の強い健気(卯野)
  • 明治時代/横浜開港/

感想とネタバレ

大和和紀先生の、『源氏物語 あさきゆめみし』を読んでそのまま、アニメで人気の『はいからさんが通る』を読んで今作も読んでみたのですが……。 この作品を読んだあと、少女漫画の王道の金字塔では??などと思うくらいの衝撃を受けました。

俺様にツンデレ、健気に紳士……。この最高のテンプレ詰め合わせ。 王道過ぎて読後の満足感とはこのことか!!と思いました。 誇張のように見えるのは語彙力のないこの自分がいけないのです。

ぶれることなく王道なのでため息しか出ません。 完璧すぎです。一寸の狂いもない王道。

少女漫画好きは一度は是非とも読んでいただきたい作品。 自分の守備範囲ではないのですが、最近のティーンズラブ好きの方にもおすすめかと思われます。

もちろん恋愛だけでなく、設定である、当時の世界情勢や、登場人物たちのとりまく環境の深い内容もとても面白いです。
また再読してみると、当時ヨコハマで何があったのかということにも気づき、落ち込みます。
事が起きて振り返って「ああ、現在と繋がっているんだ」と気づく悲しみ……。……。

王道の少女漫画(ティーンズ漫画)ですので、是非! どうぞ!

最近は電子書籍(シーモア・Kindle確認済)で、昔の漫画を手に取る敷居が低くなっているのがとても素敵です。