著者:長山靖生
発行:2005年01月10日
出版:ちくま文庫
コレクターたるもの、目利きを超えて“目明け”を目指す気概が必要だろう。既成の価値観に捉われず、本当に自分が嗜好するところにしたがって、自分だけの体系を創っていくのである。
216頁
真に孤独である人は、他者の孤独性(それを個人の尊厳と言い換えてもよい)に対しても寛容な認識を持っているのであり、それなりの優しい気配りもできるものである。
228頁
あらすじ
古書好きの著者が語る、おたく気質とは何かということを本人も含め、いろいろな日本人を通して語るエッセイ。おすすめポイント
渋沢龍彦、荒俣弘、南方熊楠などが登場。なぜコレクションをするのか。どういう信念でコレクションをしているのかがわかります。感想とネタバレ
この本で本質を突かれてしまって呆然としています。なにかというと、今まで疑ってもいなかった(!)自分がオタクかどうかという疑問が浮上してきました。
逃避のために、とりあえず求めるのであってはならない。“なに”を求めているかをはっきりさせることが重要なのである。
いやはや……実は自分はただの逃避だったということに気づいてしまいました…w
たしかにおかしいなー?と自分でもここ最近自覚があったので、ここでばっさり切られたのは良かったのかも知れません。……本音を言うともっと早く切って欲しかったw……。
この本では、オタクというか、マニア様がでてきます。最近周知なマニア様といえば、タモリさんですが、ああいう自分の好きなものに情熱をかけることができるのは本当にすごいし、うらやましいですね。
自分をふりかえれば、特段何かに情熱をかけていたものなんてなくて、今が面白いからそれにはまっていただけなんだなと理解してぞっとしました。
このブログも、何も続けることができない自分が唯一できそうなものをやっているとはいえ、(もうすぐ一年が経ちますが)……目標の100記事も書いていません。できないことが多すぎて、自分の浅はかさにようやく気づいたと言いますか……。
なんでこんな話になったのか!
おたくの本懐、コレクターの人もコレクターじゃない人も、憧れている人は必読ですw