2017/09/21

『老子』/小川環樹:訳《感想》あらゆる現象を成し遂げしめる力、それが「道」。今、この時。努力をすること、それが生きるということ。


「上善は水のごとし」、水が流れる様、それが「道」。
支那古典。日本人の人生観に一番根ざしているともいえる思想。

老子の名前は、↑『封神演義(フジリュー版)』と学校の老荘思想というので知った人間でしたが、まさか「道教」だったとは……(無知に唖然)

もちろん、道教という言葉も知ってはいたのですが、思想的なものではなく、おまじないとか、おみくじとかの現世利益とか神秘なものの認識が先行していてまったく気づきませんでした。

実は読んでいくと、上の引用にあるように、日本に根付く大事な思想家だと知って驚きました。
道のつくものは、老子からきていたんですね……。

書道・茶道・華道・柔道・剣道……。
近年流行した戦車道(アニメ)もきっと「道」に通じている……ハズ。

聖人・君主のはなしも、ちょっと凡人には高尚ですが、どんな風に生きていけばいいのかを教えてくれます。

大雑把にいって「努力研鑽しましょう」と書いている感じがなかなか現実的でそれが難しいことなんだと痛感させられました。

インスタントが求められている現代ですが、でもそれを手に入れるまでには必ず努力して、それぞれに道を知る人がたくさんいて、そうやって世界は回っているのだと教えられた一冊。




つまり道とは、「視えれども見えざる」(14章)無の存在でありながら、あらゆる現象を成し遂げしめる力を有するのである。(5p 解説)