2020/02/09

『嫌われる勇気 : 自己啓発の源流「アドラー」の教え』/岸見一郎・古賀史健《感想》本題は『”生きる”勇気』?「生きる」ためのコツを知る本。


あらすじ&オススメポイント

青年は怒っていた。ほとばしる情熱を、老いた哲人に向ける。
この憤りはなんなのか。この衝動はどこからくるものなのか。「原因」はなんだ?
この世界を納得できないでいる青年に、哲人は答える。



「世界はどこまでもシンプルだ」 2p

作品キーワード

アドラー心理学/現状を打開したい/自分に困っている/自分と向き合いたい/



著者:岸見一郎・古賀史健
発行:2013年12月12日
出版:ダイアモンド社


感想とネタバレ

タイトルに使われている「嫌われる」という言葉選びがあまりにも敵意むき出しで敬遠してしまう人がいる気もします。
何を隠そう自分です……。なので、以前から本屋さんで知ってはいましたが読んでいませんでした。
そして巡りにめぐって、ネサフしていたらこの本が「心理学」だと解説を知り、読んでみました。


この本は、青年と哲人の対話から「アドラー心理学とは何か」を知っていくものになります。
しかし、タイトルにつまづいた自分は、ここでまたもや壁に当たります。

なにかというと、この「青年」の性格があまりにも先鋭的すぎて読みにくいところです……。
疲れた精神状態で読むには少々気後れしてしまうかもしれません……。

この「青年」そのものがいわゆる「自分(読者)」なのに、好戦的な若者像を上手に描かれ「すぎ」ていまして……、読者はその「若者(青年)」をはじめ受け入れにくい気もします……。 俯瞰してみれば、「そう」思うことは、哲人を攻撃する「青年」と読者は同じなのでしょう……。
(逆に、そんなに力まなくても……余裕も持って……と思えれば、客観的にみれているのかもしれません) 想定している読者が「青年」でそういう作りなのだろうと思います……比較的攻撃的なの作風なので読む人を選ぶと思います。

とまあ、その「青年」の性格についての色々な考察と葛藤を押さえながら読むと、とても世界が広がりました。
ありがたいことに、発想の転回&転換の支えとなりました。

足踏みしてしまう人は、いったんどうにかその感情を納める努力をすると大人の階段を一歩進めるのかも知れません。 なので、この作品はある意味、大人にならないと読み終わらないのかもしれません(遠い目)。

内容について

読んでみると、アドラーの考え方・方向性は、初期仏教に近いのかなと思うところがあり、とても好感が持てました。
仏教は「死」のための生き方の模索に対し、このアドラーの心理学は「生」のための生き方の模索を助ける本なのかもしれないと漠然と考えましたが、
現代人にはアドラーの方がわかりやすく親身に心に効いてくるのではないかと思います。

ずーっと長年疑問にもやもやしていたことが、この本によって言語化されて明確になって納得できました。
もっと早く読んで教えを乞いたかったです……。
しかしこの本、感動し続けて読了しても、やはりタイトルが好きではありません……(汗)。

ただ、このアドラーの考え方は、光属性の考え方ですので前向きすぎます。
なので、闇属性で生きざるをえない人には、その通りに生きる!のではなくて、こんな生き方もあるのか~と知っておくだけでも違う生き方ができるかもしれません。
(もちろん自分は闇属性……人は人生という巨大なガチャに翻弄されますのでこればかりは仕方ないです……白目)

なにかに悩んでいる方。なにに悩んでいるかわからない方。
もしかするとその悩みの解消になるポイントが書いてあるかもしれません。

思い込んでいたものに対する、発想の転換のきっかけ作りに是非。



著者:岸見一郎・古賀史健
発行:2013年12月12日
出版:ダイアモンド社