2017年10月1日日曜日

『ブッダ(潮ビジュアル文庫版 全12巻)』/手塚治虫

どんな仕事をしていようと
どういう身分であろうと

悟ることができるのだ

いつもつぎのことを考えなさい

いま自分は何をしているのか

自分のしていることは
自分にとって大事なことなのか

人にとって大事なことなのか
そして大勢の人にとって大事なことなのか!

国じゅうの人にとってだいじなことなのか
世界の人にとって大事なことなのか

この自然にとって
あらゆる生きものにとって
大事なことなのかよく考えなさい

そして
もしそうでないと思ったらやめるがよい

なぜならこの世のものは
みんなひとつにつながっているからだよ

(7巻216P)

●あらすじ
シャカ族の王子として生まれたシッダルタは体が弱かった。幼い彼は、臥せりながら周りにあふれる苦しみについて深く考えるようになる。そして、「苦しみ」から解放された「生」について追究しようと王子という責務を捨ててまで国を出ていくのであった……。


手塚先生のオリジナルキャラクターも交えてのブッダ作品。「苦しみ」という不幸から、どうやってしあわせの「生」を手に入れることができるのか。むしろ、「しわあせ」という欲を開放しなくては安らかな「生」はないのかもしれない。

昔読んだときは難しい話だと思ったのですが、自分も少しは成長したのか今読んでみるととてもわかりやすく、丁寧に理解しようとしながら読むことができました。引用個所はもう一ついいなと思ったのがありましたが、こちらの方が手塚版ブッダを表しているように思えたのでこちらにしました。

仏教には、慈悲という言葉がありますが、最近はこの言葉の意味を考えるようになりました。
慈悲・あわれみ・同情というのは人を見下げたような馬鹿にしたような響きがあるように思い続けていたのはなぜなのでしょうか。(某ドラマのせい?若かったせい)しかし、その、ちいさな人の心づかいがありがたく尊いのかもしれません。もちろん現実を見ればお金がなくては生きていけませんが、それでも人の慈悲がなくても生きていけない気もしています。

世界は残酷ですが、また反面、作中でブッダが言われるように、世界は美しいのだと思います。