戦争とは詭道――正常なやり方に反したしわざ――である。
(24頁)
戦争の損害を十分知りつくしていない者には、戦争の利益も十分知りつくすことはできないのである。
(29頁)
あらすじ&おすすめポイント
有名な兵法の書。漢文、読み下し文、口語訳が網羅されています。
ワイド版なので、初心者でも肩肘張らなくて読むことができます。
感想
岩波文庫さんにワイド版があるのを初めて知りました。とても見やすいです。
漢文・読み下し文・口語文の三種類がきちんと余裕をもって載っていて、苦手意識を持つことなく読むことができました。
『孫子』は、中国最古の兵法書で、作者は呉の国。
『三国志(横山版)』でも孫権などの姓が呉の人ですね……。
読んでみて、理解できたかというと二回ほど読んでみたのですが、ちんぷんかんぷんな場所が幾度となくありました。
読めなくはないのですが、内容を深く理解するには初心者にはもっと噛砕いた解説書が必要のようです。
個人的には用間(間諜)篇は日本の戦国時代を考えながら読んだので想像しやすく興味深かったです。
機会があれば、今度はやさしい孫子入門みたいな本を読みたいと思います。
読み下し文なんかは学校で習って以来でしたが、独特の文章のリズム感が新鮮で、古典に触れるのも悪くない一冊。