2018/05/27

『竹の民俗誌』/沖浦和光


この本は、隼人(九州南部)の話がメインとなっています。家の本の整理をしていて、ずいぶん前に手に入れて読んでいなかった本になります。積読本は一回積ん読してしまうと埃がかぶっていけません……。

竹の有用性は、現代のプラスチック並だったことがうかがえる本でした。竹の成長は早いといいますから、生活用品として量産しやすい加工しやすいとくれば持って来いの材料だったという……。

竹の霊性は、竹の効能との抱き合わせのようで、こういう話を聞くと毎度思うのですが、科学技術もないのにどうして古代人は「そういう」のがわかるのでしょうか?? 脳にピンとくるのか、ビビッとくるのか?? 「竹を使うと思ったよりも腐らないぞ」の使用頻度のなせる技なのか……。昔の人の行動には迷信もあったりして現代文化と比較対象されることが多いですが、すごいなといつも思います。

ここでは竹のお話である竹取物語の考察だけでなく、『日本神話』に隼人たちの物語がとり入れられた、という話もありました。
逆に気になったのは、章の最後に書いてあった朝廷は、蝦夷側(北側)を徹底的に排除したという話です。どうしてだったのでしょうか。地味に南(九州)から北へ(東北)というと、明治維新を思い出してしまいました……関係ありませんが面白いなと思いました。
興味がある方はぜひ。